180-衆-東日本大震災復興特別委…-7号 平成24年06月19日

○古賀委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。太田和美君。

○太田委員 民主党の太田和美でございます。
 改めて、この法案の修正協議に御尽力をいただきました皆様方に、心から感謝、御礼を申し上げたいと思います。
 本日、傍聴席に市民の方も来ております。まさにこの法案はこうした皆様とのさまざまな思いを一つにして策定できた法案だというふうに思うと、大変感慨深いものがございます。
 まず、提出者の谷岡議員にお尋ねをしたいと思いますけれども、とりわけ私は、この法案に対する思い、それは、昨年の十月にチェルノブイリに視察に行ってまいりました。事故から五年後にできたという、いわゆるウクライナのチェルノブイリ法というものに出会いました。
 この法律は、まず第一に、事故から五年後でも年間一ミリシーベルトを超える地域を汚染地域に指定し、被災者を法的に定義したこと、そして第二に、安全な地域への移住を希望する住民に移住権が認められる、移住先での住宅や雇用についての支援を受ける権利が明記されたこと、さらに、汚染地域でもそこに住み続けたいという人々に対し、居住リスクがあるということで、居住者への月額支援、そして事業者への月額支援、医療支援などが特恵的に与えられることなど、こういったものがポイントになっているのは発議者の皆さんも御存じだと思います。
 いわゆるこのチェルノブイリ法というものは、被災者というものを細かく定義して、そして、細かく支援している、生活支援しているということが一番のポイントだったというふうに思っております。避難区域等からの住民への支援はもとより重要でありますけれども、私は、このような法律をつくって、特に、私が今住んでおります福島県の中通り地方など、低線量被曝のリスクを抱えながら住み続ける人々の支援も強化する必要がある、そのように思って、私も民主党のワーキングチームの副座長としてこの法案の取りまとめにかかわってまいりました。
 こういった形で、各党が合体して、与野党一致でこの子ども・被災者支援法ができたことは大変大きな意義がありますし、発議者の皆様方、与野党協議に当たった皆様方に、改めてこの御努力、被災地の議員として心から感謝、御礼を申し上げたいと思います。
 ただ、若干残念なことがありまして、この法案がプログラム法というような形になりました。当初、民主党が踏み込もうとしていたものは、支援対象地域への具体的な支援メニューが法案に明記されなかったことというのが、私、個人的に若干残念に思っております。
 具体的には政府の今後の検討に委ねるというわけでありますけれども、民主党のワーキングチームの事務局長として、当初のチェルノブイリ法のような立法を目指した谷岡議員に対して、この法案に込めた思いを伺いたいと思います。また、その観点から、今後の政府の検討に対する注文などがあればお伺いしたいと思います。

○谷岡参議院議員 太田議員にお答えいたしたいと思います。
 本当に太田議員におかれましては、福島県選出の議員として、この法案、そこに寄せられる人々の期待であり、そして思いでありというものを毎回代弁していただいたというふうに思っておりまして、それがこの法案を生み出した大きな原動力であるというふうに思っております。
 この法案に込めた思いでございますが、何よりも、この一年余りにおいて、東電並びに日本の国家の名において、その線引きにおいて主体的な生活を損なわれてしまった人々、その方々を再び人生の再建に当たって人生の主体者の席にお返ししたい。また、多くの線が引かれてしまうことによって、時には家族、時には近隣者、コミュニティーの中でさまざまな線が引かれ、それが溝になっていった。そういう溝をもう一度埋め直したい。
 この法案は、人々をつなぐ法案でなければならない。この法案は、人々を客体として扱ってきたことから、主体者としての地位、主権者としての地位をお返しする法案でなければならないという思いでつくっております。
 したがいまして、まず情報をしっかりと与えられること、それにおいて自己決定というものがなされること、それに対して国がしっかりと支援を行うということ、それがこの基本線になっております。それは、具体的な生活上の負担を軽減するということのみではございませんで、心の垣根が取り払われるということが何よりも重要なことだと思っております。
 また、具体的なことにつきましては、ただいまのところは、特に子供を中心とした施策が中心となっております。それは、何よりも子供の放射性物質に対する感受性がとても強いということが重要であり、そしてまた、未来の世代を私たちが守らなければならないというところにあります。
 しかし、これは始まりの一歩であります。まだまだ私たちがやれていないことは、高齢者が今骨折がふえてしまっていたり、また認知症が悪化したり、さまざまなことを私どもも聞いております。その対策について、この福島県の基金が尽きたときにどうするのか、また福島以外のところにいらっしゃる方々についてどうするのか、まだまだ課題は残っていると思っております。
 もちろん実施をしていただくのは政府でございますが、私たちは、これを全て政府に委ねっ放しにするつもりはございません。立法者の意思として、この法案が成立いたしました暁には、私たちは、この法案を産み育てていく者として一緒に活動していこうということを今超党派の議員で相談をしているところでございます。
 タウンミーティングも開きたい。また、皆様の声をしっかり聞いていきたい。具体的なプログラムになっていないということを反対にしっかりと利用して、皆様の声、自治体の声、そういうものがしっかりと伝わって、そのニーズに応じてプログラムが立てていかれる、そんな法律に育ててまいりたいと思うところでございます。
 ありがとうございました。

○太田委員 ありがとうございます。
 この法案をよりよいものに皆さんと一緒にしていきたいというふうに思いを同じくさせていただきました。
 そしてあと、福島県民からすれば、この法案、支援対象地域が年間何ミリシーベルト以上のところになるのかというところが一番関心のあるところだというふうに思います。
 もちろん、機械的に分けることによって住民が分断されることは避けなくてはなりません。そして、今の段階で数字がひとり歩きするということはよくないという点を踏まえて、あえて言及したいと思いますけれども、チェルノブイリ法あるいはICRPや国内法令に照らしても、私は一ミリシーベルト以上というところが支援対象地域になるべきだというふうに思っております。そうしたところを設定していただきたいというふうに思っております。
 そのことにより、そこで、発議者の方には、具体的な数字はお尋ねいたしませんけれども、この支援対象地域の設定についてどのような検討を政府に期待をするのか、そのお考えをお尋ねしたいというふうに思います。

○谷岡参議院議員 お答えいたします。
 ICRPは、皆様も御存じのように、一般市民の年間の被曝量を一ミリシーベルト以下ということを推奨いたしております。と同時に、事故後におきましては、言ってみれば移行期間というものを認めておりまして、現実的な対応をするべきであるということも言っております。この二つを考えながらやっていかなければならない。  同時に、できるだけ一ミリから二十ミリの中で低い方を選ばなければならないということも書いております。現在の二十ミリの数値というのは一ミリから二十ミリの中での一番高いところをとっているということで、特に、三倍から四倍の感受性を持つと言われている子供にとっては全く望ましい状況ではないというふうに立法者たちの意見として考えております。
 そこで、今後の問題でございますが、これは地域によってもいろいろあろうかと思いますが、基本的なものを、これから自治体であり、そして避難していらっしゃる皆様であり、残っていらっしゃる皆様、そういう方々の御意見というものはしっかり聞きながら、そこで考えていかなければならないと思います。この法律をきっかけに、ともに考える、ともに一番いい形を生み出していく、この放射性物質が環境内にあるという状況の中で、私たちがどのような形で力を合わせていくのかということについて、やはりしっかりと、みんなが車座になって話し合うことができるような状況というものをつくっていかなければならないと思います。
 政府におかれましては、その声をしっかりと聞いていただきたいと思います。再びこの法律がまた人々の間に線を引くことにならないように、どの単位で人々を分けていけばいいのか。例えば、それは小学校区なのか、あるいは字単位なのか。どういう形でやるのが人々に受け入れられ、そしてみんなに喜ばれる法律になるのか。この辺は丁寧な形でやっていただきたい。また、そういう声を反映していただきたい。私どももしっかりお手伝いをしてまいりたいというふうに思っております。

○太田委員 次にお伺いしたいと思います。
 ちょっと時間がないので早口になりますけれども、この法案の第八条、第九条で、家族と離れて暮らすことになった子供に対する支援に関する施策を講じるものとするというものが盛り込まれております。
 福島県では、今、離れて暮らす家族と会う際にかかる旅費、ここに大変負担がかかるというような切実な声が聞こえてまいります。どのような支援策が必要と考えておられるのか。本来であれば、事故が起きなければ、こうした家族離散することがなかったはずであります。今こそ、一番やはり力を入れていかなければならない、そうした家族のきずなのところに切り込みを入れていきたいというふうに思っておりますので、そういったところを発議者の方にお伺いしたいというふうに思います。

○増子参議院議員 太田議員にお答えを申し上げます。
 今御指摘のとおり、家族と離れて暮らすことになった子供への支援に関する施策としては、具体的にどのような施策を講ずるかについては、被災者の意見や地元の意見を反映しつつ、国民の理解が得られる形で仕組むことが必要だと考えております。
 この考えのもと、例えば御指摘のありました、家族に会う際にかかる費用の負担を軽減する措置、これは現在、賠償で月一、二回程度は認められておりますが、十分ではありません。全国、それこそ北は北海道から南は沖縄まで、家族が離散しているという状況を考えれば、これでは十分でございませんので、十分これらを考える措置もしていかなければならないと私どもは考えております。
 また、家族と離れて居住することに対する不安や寂しさを解消するために、子供たちの将来に対しての大変さまざまな課題が出てまいりますので、これらについても、通信費用の軽減やカウンセリング、心のケア、子供たちが集まっての催し物の実施など、そして何よりも、ある意味では住環境の改善ということも極めて重要な問題だと私どもは考えております。
 これらの適切な措置が講ぜられるものと考えておりますので、この辺はよく地元や被災者の皆さんと相談をしながら、適切に対応していきたいと思っております。

○太田委員 ありがとうございました。
 最後に、復興大臣にお尋ねしたいというふうに思っております。
 福島県は、原発事故を逆手にとって、全国に誇れる健康長寿県を目指す、そういう考えでございます。政府も、復興再生基本方針で同様の趣旨を盛り込む方向と伺っております。
 ところが、この具体策について、私も各省庁、いろいろなところにレクをお願いするんですけれども、どこに頼んでも司令塔はどこなのかわからなくて、たらい回しにされているような状態でございます。県任せにすることではなくて、やはり国として福島県の健康づくりに責任を持って支援するという決意をお伺いしたいというふうに思います。
 この法案についても、私のところに昨日、双葉町村会から法案修正の要望なども送られてきました。医療費減免の対象を妊婦や子供に限らず大人に広げていくべきなどというものがございました。それほど福島県の健康の不安というものが大きいということでございます。
 そのことを踏まえて国としての行動をしてもらいたいというふうに思っておりますけれども、復興大臣、いかがでしょうか。

○平野(達)国務大臣 今委員から御紹介がございましたけれども、政府では、福島復興再生基本方針の策定を今進めておりまして、その中で、福島の復興及び再生の目標として、安全で安心して暮らすことのできる生活環境の実現を掲げております。
 この目標の実現に向けましては、厚労省、厚労省では心のケア等々も含みます。小学生、中学生の心のケアについては文科省も参画をいたします。あるいは健康管理、これは今の規制庁法案ができますと環境省が主体的に取り組む形になりますが、いずれ政府の施策を総合して取り組むということになりまして、その全体的な調整、統括というのは復興庁が担当するということになります。
 ちなみに、健康長寿県ということにつきましては、これはあくまでも福島県の独自の取り組みでございますから、これについて国がどうのこうのというわけにはなかなかいかないということであります。
 ただ、一般的な今回の原発の事故に関連しましての健康管理、心のケアも含みますけれども、医療体制の整備、これにつきましては、国が万全の体制で支援をしていくということでございます。

○太田委員 ありがとうございます。
 大臣、しかし、この法案で、基本理念のところに、外部被曝及び内部被曝に伴う被災者の健康上の不安が早期に解消されるように最大限の努力がなされるものでなければならないということ、そして、この法案の中には、政府は基本方針を定めなければならないということになっております。
 やはりそういった意味で、不安を解消するためには、福島県は本当に事故後でも健康になったということがそうした不安を解消する一番の手段であるというふうに私は思っておりますので、その辺のところを政府としても最大限の努力をお願いいたしまして、私の質問を終了とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。