177-衆-環境委員会-14号 平成23年08月23日

○小沢委員長 次に、太田和美君。

○太田委員 民主党の太田和美でございます。
 本日は質問の機会をいただきましたこと、まずもって心から御礼を申し上げたいと思います。また、委員各位の皆様方に、先日福島県に視察に入っていただきましたこと、重ねて御礼を申し上げたいと思います。
 さて、本日は時間も余りないということでございますので、早速質疑の方に入らせていただきたいというふうに思います。
 原子力事故から、早いもので五カ月がたちました。五カ月間が過ぎたというのに、事態がよくなるどころか、私の地元からは、福島県を出ていく若い人そして子供たちというのが後を絶ちません。この夏休みを機に、県外に出ていくことを決意された方というのもおられるのが現状でございます。先日の新聞でも、私立幼稚園二千人転園。現在の福島県の特に中通りから多くの子供たちが、子育てできる環境なのかということで県を後にしてしまうというようなことがあるということでございます。
 今、私が改めて思うのが、まざまざと、やはり除染の必要性、これを強く思っているところでございます。この五カ月間、そうした若いお母さんたちの声にこたえられていないということは、私自身も、被災地の議員として自責の念に駆られる毎日でございました。
 そこで、除染のことについてお尋ねをさせていただきたいというふうに思っておりますけれども、原子力災害対策本部で除染の基本方針というのがやっと八月中に取りまとめができるということをお聞きしております。今の検討状況はどうなっているのかということで、本日、福山内閣官房副長官に来ていただいておりますので、そのことについて、除染の対象地域をどのように設定するのかということも含めてお尋ねをさせていただきたいというふうに思っております。
 原子力安全委員会が八月四日に答申をしたものがあるんですけれども、福島第一原発事故における緊急防護措置の解除に関する考え方についてということで、これでは、参考レベルとして年間一ミリシーベルト以下を目指して、合理的に達成可能な限り低減する努力がなされることという考えが示されております。また、原災本部が八月九日に示した避難区域等の見直しに関する考え方でも、徹底的かつ継続的な除染を実施するとして、長期的な目標として追加的な被曝量を年間一ミリシーベルト以下とすることを目指すということとしております。
 こうした経過を踏まえても、私は、当然、今策定中であります基本方針において、年間積算線量で一ミリシーベルト以上の地域を対象に、一ミリシーベルト以下にするよう目指して除染に取り組んでいく、そういった考え方でまとめられるべきだというふうに思っております。まず、このことについて御見解をお尋ねしたいと思います。
 また、福島県の子供たちが安心できるように、放射性物質の半減期が何年だからと。例えば、現在、福島の郡山では年間八ミリシーベルトということを言われております。これが何年後には自然に何ミリシーベルトまで減る、そして除染を行うことによって何年後にはこうなるというような展望もあわせて示していただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。

○福山内閣官房副長官 太田委員にお答えをさせていただきます。
 太田委員におかれましては、地元選出の議員として、本当に原発事故の対応について日ごろから御尽力いただきまして、心から感謝申し上げます。
 今、御指摘をいただいておりました除染の基本方針でございますが、八月中にまとめるべく、検討している最中でございます。
 先週の土曜日、二十日の日も、細野大臣が井戸川双葉町長それから渡辺大熊町長と三キロ圏内に状況の視察に入られました。また同時に、事務的には、周辺の八市町村プラス、すべてで大体二十ぐらいの市町村と除染についての意見交換を今しているところでございます。
 太田委員御案内のように、除染が今後一番重要だというのは全くそのとおりでございまして、我々としては、除染をいかに効果的にやるかということが重要で、まず、除染がどのようにうまくいくかについてのモデル事業なりをやって、きちっとそういった成功した事例をそれぞれの市町村にやっていただけるような形をとりたいというふうに思っております。
 また、どういう形で地域をと言われましたが、これは御案内のように、線量の高い地域と線量の低い地域があります。線量の低い地域においても、側溝や一部の草むら等々に関して言えば、高いところもあります。つまり、基本は、モニタリングをしっかりすること、それからその後、線量の高いところから効果的な除染をしていくこと。ただし、地域的に特定をするというよりかは、除染の必要性は面的に広がっているというふうに私は思っておりますので、それをどういうふうに整理していくかということについて、今鋭意検討しているところでございます。
 それから、御指摘のありました一ミリシーベルト以下を目指していくべきではないかというのは全くそのとおりでございますが、あとは、どのような形で線量が減衰をしていくか等についてもしっかりと科学的に検証していかなければいけませんし、それぞれの市、町、村によって、同じ町でも線量の高いところ低いところ、それぞれが非常に状況が違いますもので、一律にというよりかは、そこは丁寧にそれぞれの市町村と話し合いを進めながらやっていきたいと思いますが、そういった考え方を今方針としてまとめているところでございます。

○太田委員 ありがとうございます。
 やはり、除染ということで、ゼロにすることは無理だというふうには思うんですけれども、本来であれば浴びる必要のないものでございますので、本当にできる限り低く抑える努力、これを国が前面に立って総力を挙げてやっているんだ、このメッセージが必要なんだというふうに思っております。やはり、福島県を出ていくお母さんたちが、ずっとこのままの線量だというふうに思っている方たちが多いんですね。でも、実際今あるのはセシウム137と134、それには半減期二年のものから三十年のものがあります。ですから、自然減だけで六年後には三割になるとか、それプラスアルファ、国が本当に除染というものを徹底的にやっていくというメッセージが本当に必要なんだというふうに思っております。
 生まれ育った地を離れていくことというのは、そう簡単なことじゃないんですね。ですから、やはりみんな戻ってきたい。再びここに戻ってきて子育てできるというふうに、国が自信を持って、胸を張って言えるような環境づくりをしていただきたいというふうに思っております。
 次に参りたいと思います。
 そうした除染を行うには、当然、その廃棄物をどうするのかというのが問題になってきます。本日この後提案される特措法案は議員立法ということになりますけれども、政府提出法案とならなかった事情についてどのように認識されているのか、お尋ねをしたいと思います。
 環境省は、設置法においても、環境基本法などにおいても、放射性物質対策、放射能汚染対策は任務外ということになっております。私は、本委員会の四月の質問でもそのことを取り上げ、放射能汚染という膨大な環境汚染から人々を守るため、環境省は踏み出すべきではないかという趣旨の質問をさせていただきました。その意味で、省庁間の所管事務のすき間に発生した放射性廃棄物の処理という難題に、少し遅かったにせよ、法の想定外の中で環境省が一歩踏み出していただいたことに大変評価をしているところでございます。
 今回の特措法では、放射性廃棄物の処理や除染という福島県復興の大前提となる事業について、環境省が中核的な役割を担うことが打ち出されております。今までの環境汚染とは、予算規模も汚染面積も比べ物にはなりません。今の福島県の現状を踏まえた上で、その任を担う環境省として、決意もあわせてお伺いしたいと思います。

○江田国務大臣 委員が、先ほどもお話ございましたとおり、被災地域選出の議員として、現地の皆さんの声をしっかりと受けとめながらこうして活躍をいただいていることに、心から敬意を表します。
 今、除染についてもお話ございましたが、本当にこれは残念なことなんですが、日本のこれまでの法制を見ますと、昭和三十年代に原子力法制というものがスタートしまして、このときの頭は、原子力事故というのは、小さなものは起きても原子力施設の中だけでおさまる、環境中に放射性廃棄物が飛び散るというようなことはないという頭だったんですね。そして、昭和四十年代に今度は環境法制ができてまいりまして、その環境関連法の中では、そういう廃棄物が環境に放出するということはないという前提ですから、これを除くということになっていて、今回のような事態について全く法がない、そういう欠陥を抱えた法制度だったと言わざるを得ないと思います。
 ですから、環境省は、もちろん環境を保持していくという点で重要な責任を負っているわけですが、しかし、例えば経産省であるとか農水省であるとか厚労省であるとか、いろいろなところの所掌事務に関連をする事態が今起きているわけでございます。これらを総合的に、しかも、これから先、あってはならぬことでありますが、しかし福島第一で起きたことがほかでは起きないという保証もないので、法整備をする場合にはオール・ジャパンで考えていかなきゃならないということで、内閣としては、そうした法整備をする必要を痛感しながら、なかなか現実に踏み出すのに困難を感じていたというのが実態でございます。
 そんな中で、しかし現実には福島第一の事故が現に起きて、現に放射性物質によって汚染された地域があり、廃棄物があり、除染が必要、廃棄物の処理も必要ということがあって、議員の皆様で寄り寄り相談をしていただきまして、今回の議員立法によって、福島第一についてはこういうことでやろうという提案をまとめていただいたものと思っておりまして、環境省としても、そうしたまとめについて、いろいろと環境省の知見なども聞いていただきながら、あるいは私どもも、私どもで把握した地域の声もお伝えをしながら協力をしてきたものだと思っております。
 こういう形で、議員立法としていよいよもう成立寸前まで来ているわけでございまして、これによって環境省が本当に重大な役目をこれから担っていかなければいけない、ぜひとも本法に基づき適切かつ迅速に対策を進めさせていただきたいということを今環境省全省挙げて決意をしておりまして、ぜひとも一日も早い法案の成立をお願い申し上げます。

○太田委員 環境省としての決意は本当に伝わってまいりました。
 しかし、環境省だけ頑張っても、放射能汚染対策、除染というのは進んでまいりません。やはり、関連する農水省や国交省、そして文科省などとも連携して、徹底的にこの問題に取り組んでいっていただきたいというふうに思っております。きょうは文科省の方は来られておりませんけれども、この除染のことについても、学校の校庭の表土をはいで除染作業をするということは、文科省は最初腰が重かったんですね。そういうこともありますから、環境省がもっとリーダーシップを発揮して、すべての省庁に呼びかけて、そういったことで働きかけをしていただきたいというふうに思っております。
 もっと質問したいことがあったんですけれども、質疑時間が終了となってしまいましたので、またお願いさせていただきたいというふうに思っております。
 本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。