171-衆-経済産業委員会-6号 平成21年04月03日

○東委員長 これにて赤羽一嘉君の質疑は終了いたしました。
 次に、太田和美さん。

○太田(和)委員 民主党の太田和美です。
 私が現在活動しております地元福島では、正社員の失職者が三カ月連続で三百人を超えて、この五カ月で千五百人も正社員の方が職を失ったということです。非正規雇用に関しても、愛知、長野、静岡、三重に続いて五番目に多く、東北では最多という厳しい環境にございます。
 そのような中、今回の産活法は、政争の具にすることなく、スピーディーな本法案の成立に向けて、先輩議員に引き続き、産活法の質疑に入らせていただきたいというふうに思います。大分論点も出尽くし、重なるところもあろうかと思いますが、重要な法案ですので、ぜひ丁寧な御答弁をお願いしたいと思います。
 産活法の認定企業のうち、政策投資銀行など指定金融機関が行う出資に関し、日本政策金融公庫が損失の一部を補てんする、つまり、事業会社に対する事実上の公的資金の投入ではないかと言われている部分について、出資対象企業の要件があいまいだ等の同僚議員の質問に対し、経産省からは四つの要件が示されました。きょうの議論の出発点になるので、もう一度改めてお伺いしたいと思います。具体的な数字も含めてお願いをいたします。

○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 産活法に基づきまして今回盛り込まれております出資の円滑化制度でございますが、詳細な制度設計を進めているところでございますが、四つの要件を御指摘のとおり定める方向でございます。
 第一の要件は、当該企業が世界的な金融危機の影響によりまして急激に売り上げ等が悪化をし、自己資本が減少しているために、融資だけではなく出資を受けることが不可欠であること。
 それから第二の要件でございますけれども、産活法の大臣認定を受けようとする事業計画におきまして、一定期間、原則三年でございますけれども、そのうちに当該企業の価値向上が見込まれるものであること。
 それから第三に、雇用規模が大きい企業、またはこうした企業に代替困難な基幹部品等の相当割合を供給している企業など、国民経済の成長や発展に及ぼす影響が大きいと判断されること。ここで、雇用規模が大きい企業ということでございますけれども、これは、関連下請企業や取引先企業を含めまして五万人以上の国内雇用に影響を与えるような、連結ベースで国内雇用五千人以上の企業を想定しております。
 それから第四の要件でございますけれども、当該出資を前提といたしまして、出資先企業に対して、他の民間金融機関が融資または出資を行うことなどによりまして協調して認定計画の実現等に取り組む予定であるという、この四つの要件を満たす企業が対象になり得るというふうに考えております。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 二階大臣は、一月二十七日の記者会見で対象企業の規模を問われて、こう言われております。「中堅企業ぐらいに焦点が当たっていくでしょう。中堅からもう少し大きいところも考えられなければいかんでしょう。」というふうにおっしゃっております。このやりとりは経産省のホームページにも載っているので正確だと思いますが、中堅企業が焦点だと言っていて、そして、もう少し大きいところも考えなければとつけ足しています。
 この一月末の大臣の認識と今経産省が改めて答弁をした要件は少しニュアンスが違うのではないかというふうに思っております。国内従業員五千人規模以上というのは大企業です。法案を詳細に詰める段階でターゲットが当初から変わってきたような気がするのですが、お答えをお願いいたします。

○二階国務大臣 私の一月に行った記者会見の点でありますが、厳しい経済情勢を踏まえて、これから制度の検討を始める、そういう時期でございました。対象企業の基準づくりの作業もちょうど緒についたばかりというような当時でありましたから、当然、私自身の認識として、中堅企業そしてまた大企業、いずれも本制度の対象になるという認識は持っておりました。
 当時の記者会見録を私も改めて確認してまいりました。まさにそうした考え方に基づき、「中堅企業ぐらいに焦点が当たっていくでしょう。中堅からもう少し大きいところも考えられなければいかんでしょう。」と、今議員から御指摘のとおりであります。さらに、「中小企業も中堅企業も、場合によっては大企業もという、企業の大きさだけにこだわらずに、」と申し上げております。
 また、同じ記者会見において、国のために、日本の産業のために必要だと思われる企業に対して支援をしていきたいと思っていますともつけ加えてございます。国民生活の成長や発展に大きな影響を及ぼす企業が対象であるという点においては、制度設計を始めた当初からも基本的な考えは変わってはおりません。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 今大臣からもお話がありましたが、その記者会見の続きで、中小企業も中堅企業も、場合によっては大企業という、企業の大きさだけにこだわらず、国のため、日本の産業のために必要だ、あるいはそれぞれの地域のために必要だと思われる企業に対して支援をしていきたいというふうに大臣も述べられております。
 認定の要件を明確化していくことは絶対に必要ですし、先ほどの御答弁ですと、雇用の規模では五千人、シェアについてはちょっと御答弁がありませんでしたが、あるいは代替困難な基幹部品等の相当割合を供給している企業、シェアでいえば三〇%から五〇%、この二つのどちらかに属さなければ、申請しても足切りされることになる。
 すると、五千人規模かシェア三〇%か、このどちらの要件にも当てはまらない、例えば、高い技術力を持っているとか、これから確実に伸びる可能性が高いとか、今後の経済成長に欠かせない分野の有望企業だとか、そういう企業がこのスキームを使いたいというふうに思っていても認定されないケースが出てくるのではないかというふうに私は思っております。企業規模と代替困難な部品のシェアの数字で足切りして大丈夫なのでしょうかということです。
 規模とシェアでは拾えないケースがあると思いますが、そうなると、企業の大きさだけにこだわらず、国のため、産業のために必要な企業に支援をしたいという、大臣が当初言われていた意見とちょっと矛盾が生じてしまうのではないかというふうに思っているんですが、いかがでしょうか。

○高市副大臣 失礼します。
 太田先生おっしゃいますとおり、大企業であれ、中堅企業であれ、中小企業であれ、小規模企業であれ、その事業主体を守るということは、日本の国のために大変大切でありますし、また、その雇用を維持するという、今の非常に大切な課題にとっても欠かせない視点であると思っております。それらすべてのあらゆる規模の企業の資金繰りを国として応援していくという方針については変わっておりません。
 この制度に関しましては、金融危機によって一時的に経営状況が悪化して、融資だけじゃなくて出資が不可欠になっている状態、そういう要件を満たす企業の資金繰り対策として設けるものでございます。先ほどおっしゃいましたとおり、国内雇用五千人以上の企業だけじゃなくて、そういった企業に代替困難な基幹部品などの相当割合を供給している企業も含まれます。
 それで、中堅、中小、小規模と、さまざまな企業の資金繰りに関しましては、この改正産活法案の中にも、主に中堅企業を対象にいたしました中小機構によります債務保証制度を盛り込んでおりますし、また、中小企業向けには別途三十兆円規模の緊急保証やセーフティーネット貸し付けに加えまして、また、中小機構によります再生ファンドを通じた出資などもございます。
 ですから、これらの施策をしっかりと機動的に発動していくということによって、これからも可能性を開いていける小さな規模の企業に対しても応援をしてまいりたいと思っております。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 定量的な要件だと非常にわかりやすいですし、余り裁量が入り込む余地もなくなり、透明度も高くなると思います。しかし一方で、機械的な判断になり、本当は支援をしなければいけないケースを落としてしまうおそれも出てきます。私はむしろ、企業規模や代替困難な部品のシェア率などの基準もいいですが、もう少し定性的な基準もあった方が使える法律になるのではないかなというふうに思っています。
 そのためといったらなんですが、今回の要件のことも、先輩議員や同僚議員からもいろいろ御指摘があったと思いますが、これを決めるに当たって第三者委員会のようなものを設置して、認定のプロセスの結果の検証、また、政治家の圧力がなかったかとか、厳しいようですが、公的資金を投入してまで生き残らせる価値があるのかとか、経営責任は本当に問わなくていいのかなど、産活法の枠組みにとらわれず検証する機関が必要だったのではないかなというふうに思っております。その方が経産省も、結局は経産省の裁量の一つというふうな非難を恐れる必要もなかったのではないかなというふうに思います。
 これらの要件で本当に必要な企業が支援できるのか、改めてお伺いしたいと思います。ストレートにお聞きしますが、検証のための第三者委員会を設置するなどの手法で透明性を高めていく考えはないかどうか、お伺いをしたいと思います。

○石黒政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の制度は、世界的な金融危機によって経営状況が悪化して、融資だけではなくて出資も不可欠な企業を対象として行うものでございます。私どもとしても、臨時異例の措置であるということはよく認識をいたしております。
 そのため、産活法の要件に加えまして、先ほど局長が答弁させていただきましたが、雇用規模の大きい、あるいは国民経済の成長、発展に及ぼす影響が大きいというようなことで、要件を深掘りさせていただいております。
 本制度におきましては、実は一〇〇%政府保証の出資といったような、資本注入のような形ではございませんで、民間の指定金融機関が一定のリスクをしょう仕組みになっております。二〇%から五〇%、指定金融機関がリスクをしょうということでございまして、あわせて他の民間金融機関が協調して融資を行うといったような要件も加えさせていただいております。
 そういう意味で、制度利用に当たりましては、民間の目きき能力というのが十分に活用される。一言で言えば、市場がこの企業をきちっと生かしておきたいというものについて補完的に役割を果たさせていただくということでございまして、先生御指摘のとおり、第三者委員会というものも一案だとは思いますが、これで十分ガバナンスがきいていくのではないかと思っております。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 第三者機関を設けるという考えはないということで、少し残念には思いますが、ここでちょっと一つお聞きしたいのですが、一部の報道で、「当初は企業に資本注入する公的な組織を新たに設立する構想も浮上した。二〇〇三年に立ち上げた産業再生機構の類似組織創設も俎上に載ったが、国会審議の難航が予想され断念した。」というふうに一部の報道機関で載っておりました。
 国際情勢をそのように判断したというのは与党だけの責任ではないというふうに思いますが、この経済状況の中で、公的資金を使った企業支援そのものに私たちも反対ではありませんし、真に必要な企業に支援をすること、そして、公正で透明性の高い決定プロセスが重要だと認識しております。
 ここでお伺いしたいのは、新たな組織をつくって企業を支援するという当初の発想をどのような理由で断念したのか、大臣にお答えを願いたいと思います。

○石黒政府参考人 そのような報道がありましたことは承知をいたしておりますが、私どもとして、具体的にそういった産業再生機構のような組織をつくるといったような検討を行った事実はございません。今回の対策は、前回の審議でも御説明申し上げましたが、資金繰り対策の一環として出資を行うといったような観点から措置をさせていただいております。
 一方、先生御指摘のような、産業再生機構のような債権の買い取り、私的整理によって再生を図るという組織につきましては、別途内閣委員会において地域力再生機構法案が提出されております。私どもとしても、早期の成立、施行を期待しておるところでございます。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 では、一月三十日に日経新聞に載ったこの記事は誤りだったということでよろしいんですよね。はい、わかりました。
 先ほども少し触れましたが、そもそも論を言えば、事実上の公的資金の投入は本来産活法でやるべきではなかったのではないかと私は思っております。産活法でやろうとするから、登録免許税を少しまけるという軽目の認定と、政投銀の出資に対し日本航空の損失の一部を補てんするという重い認定を同じような仕組みで経済大臣がやることになる。政投銀の出資は、失敗すれば税金投入につながるわけですから、当然重い話です。重い話だからこそ新しい法律をつくって、正直に、これは公的資金の投入です、だから明確な基準をつくります、独立性の高い組織で支援先を公正に決定しますと堂々と提案すればよかったのではないかなと私は思っております。
 私どもも、この事態の中で公的資金を使った企業支援そのものに反対するわけではありませんが、ただ、今回のスキーム、経産省は事あるごとに、これは公的資金の投入ではありませんと繰り返していますが、殊さら重い話を軽く見せようとする意図があるのではないかなというふうに感じるときさえありました。裏口からこっそり入ろうとするのではなく、正面から正々堂々と入ってほしかったなというふうに思っております。
 このような意見について、大臣、いかがでしょうか。

○石黒政府参考人 お答えをさせていただきます。
 今回の措置は、金融危機の影響によって、一時的に自己資本が大きく毀損して経営状態が悪化しているということで、しかしながら、一定期間後には生産性が向上して企業価値の回復、向上が見込まれる企業を支援するというのがその趣旨でございます。
 こういった趣旨にかんがみますと、実は産活法の目的それから趣旨といいますのは、我が国経済の持続的な発展を図るためにその生産性の向上が重要である、それから、我が国産業の活力の再生に寄与することを目的としたというのがこの産活法の趣旨でございます。
 それからまた、先生も今お触れになりましたが、産活法はほかにも支援措置がついております。そういう意味で、法制上の観点と政策的にパッケージとして支援をしていくという両方の観点から、この法律の中で措置をさせていただいたという次第でございます。(太田(和)委員「大臣の所感もお願いしたいんですが、新しい法律について」と呼ぶ)

○二階国務大臣 ただいま御答弁を申し上げたとおりでありますが、私も、これは一定期間を区切っておるわけでございますから、それまでに生産性の向上と企業の回復ということを願って、我々は、この法律によって新しい制度を導入したということだけで事終われりというのではなくて、これからさらに企業が立派な企業に再生していく方途についてしっかりと支援をしていきたい、このように考えております。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 これ以上深くは質問をいたしませんけれども、産活法について、今回、多分走りながらいろいろ議論を詰めているんだろうかなという感が否めません。ぜひとも、具体的なところについて、大臣からも慎重にしっかりとチェックをしてみていただきたいなというふうに思っております。
 出資の問題についてはこれが最後になりますが、引き際のことについてお伺いをしたいと思います。
 日本公庫による損失補てんは、当面、平成二十二年三月末までに行った出資につき行われることとなっているが、当面というからには、事情があればもっと延びるということもあるのでしょうか。

○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 この出資の円滑化制度でございますけれども、今般の危機に対応するための臨時異例の措置というふうに考えておりまして、御指摘のとおり、日本政策金融公庫が行います損失補てんは、法律上も、民間指定金融機関が内外の金融秩序の混乱により出資を行うことが一般に困難であると認められる時期に行う出資のみを対象とする旨、明記しているところでございます。
 御指摘のこの時期でございますけれども、これは政令で定めることにしておりまして、平成二十二年三月末までを想定しております。したがいまして、その終了時期におきまして、そのときの経済環境等を考えてどのように判断するかということは今の段階では想定しておりませんけれども、いずれにいたしましても、政令で時期を明記する、こういう形になっております。

○太田(和)委員 現在、世界じゅうを覆う未曾有の経済危機の中で、各国はさまざまな形で企業に対する公的支援を強めております。アメリカのクライスラーやGMが巨額の融資を受けていて、新車の六千ドル割引など大キャンペーンを展開しているように、緊急、異例の短期的支援ならともかく、今回の出資のスキームは来年の三月までという時限的なものということですが、延長にも含みを少し持たせているのかなという感じもします。
 こうした事態が長引けば、競争条件がすっかりゆがんでしまうことが懸念されます。また、目先の国際競争を考えたら、先に公的支援の制度をやめた国が損をしかねないという状況ではないかと思っております。かといって、長い目で見れば、保護主義に走り過ぎると国の経済は弱くなりますし、どうやったら各国と協調しながら公的支援の枠組みから抜け出すことができるのか、公的支援の引き際のイメージについて、大臣の見解がおありならお示しいただきたいと思います。

○松永政府参考人 やや事務的な背景等について御説明させていただきます。
 御指摘のとおり、世界経済のいわばグローバルな金融危機でございますので、昨日のロンドンでのG20の会議でもそうでございますけれども、この危機に当たりまして、各国が財政措置も含めて経済政策をいわば協調して行うということも大事でございますし、また一方で、御指摘のとおり、それが各国の保護主義というような形に走らないように、きちっとそういう意味での政策的な協調を行っていくということも大事でございます。
 ただ、一方で、世界的な規模での問題ではございますけれども、その影響度合いというのは各国によって異なっておりますし、各国の経済状況に応じてどういう政策支援を行うのかということにつきましても、それぞれの国の置かれた状況あるいはその国における企業の経営環境に応じて実施されていくということだというふうに考えております。

○太田(和)委員 済みません、ちょっと大臣にお尋ねしているんですが、今事務方の方からもお話がありましたけれども、どうやったら各国と協調しながら公的支援の枠組みから抜け出すことを考えているのか。大臣のイメージで構いませんので、公的資金の引き際のイメージというのを、大臣の見解がおありならお示ししていただきたいんですけれども。

○二階国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。
 ただいまも御答弁申し上げましたように、G20におきましても相当協調ということが目立っておりますことは、私も歓迎すべきことだと思っております。保護主義に走らないようにということ、これについてもきちっとした明確な決意というものが各首脳の間で合意されたということは、大変喜ばしいことだと思っております。
 私もこの前にWTOの閣僚会議に行ってまいりましたが、そのころはまだアメリカの通商代表も決まっていないというふうな時期ではありましたが、一部の国においては、保護主義ということについて走りかねないような雰囲気、そういう国内情勢にあった国々もおありであったわけでありますが、今回は、首脳レベルで、このことに対しては断じてその方向へ走ってはいけないという決意を示されたということは、大いに結構だと思います。
 今言われましたように、それでは、いつごろ公的資金を導入するというようなことから脱却できるかということでありますが、これは、それぞれの国が協力し合って、懸命の努力の結果でありますから、我々は、この困難な状況を乗り越えることに相互に協力しながらやっていきたい。特に、先ほども申し上げましたように、協調という点において、私は、この二文字が、日本語で言うた場合の二文字でありますが、大変重要であると思いますから、我々も、今後、あらゆる国際会議等におきまして、各国との協調に全力を注いでまいりたいと思っております。

○太田(和)委員 ありがとうございました。
 次に、資源生産性の向上策についてお伺いをしたいと思います。
 資源生産性の向上が今回の産活法改正の一つの大きな柱になっております。資源価格は今は落ちついていますが、中長期的には上昇していくのは間違いないと私は思っておりますし、低炭素社会を目指した強力な取り組みが国際的にも求められている中、資源生産性のさらなる向上は、企業にとっても我が国社会にとっても死活にかかわる問題だと思っております。したがって、今回、資源生産性革新計画を策定した事業者を認定し税制などで支援していくというのは、方向としては間違っていないかというふうに思います。
 そこで、計画認定の要件でありますが、まず、目標の設定。付加価値をエネルギー消費量または二酸化炭素排出量で割った資源生産性を三年間で一定以上向上させることが目標として求められている。この一定以上とは具体的に何%になるのか。また、この要件が余り厳し過ぎたら計画をつくる事業者が少なくなりますし、逆に甘過ぎたら資源生産性向上策として意味のないものになりかねないと思います。
 したがって、どのような根拠で、そして具体的にどのような考えに立って目標要件を設定していくのか、そのあたりの考え方も含めて御答弁をお願いしたいと思います。

○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 今回新たに追加をされます資源生産性革新計画の認定基準でございます。
 委員御指摘のとおり、資源制約に左右されない経済産業構造への移行を強力に推進していく、こういう観点から考えますと、やはりある程度高い目標を掲げるということが大事でございますが、ただ、同時に、企業が、中小企業も含めまして、努力をすればそれに到達し得るというようなことでなければならないというふうに考えております。
 そういう観点で、現在、省エネ法がございまして、その努力目標でございますけれども、年平均一%以上のエネルギー・資源の使用の効率化ということを定めております。この数字というものを念頭に置きながら、具体的な認定対象というものを決める基準、数値というものを設定していきたいというふうに考えております。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 資源生産性計画に盛り込む目標達成に向けた取り組みとして事業構造の変更や設備投資などが挙げられておりますが、具体的にわかりやすく言うとどのようなものがあるのか。
 また、こういう設備投資をしたら資源生産性が何%上がったとか、既に先進的に取り組んでいる事例が結構あると思われるんですが、なるべくイメージできるように、代表的なケースを紹介していただきたいなと思います。
 これは産活法の総括にも関連する話ですが、産活法にこういう計画認定の仕組みがあって、このような取り組みをすればこれだけの恩典があるという情報が意外に知られていないケースが多々あります。制度だけつくっても、利用されなければ全く意味がありませんので、どのような広報、周知徹底をしていくのかもお答えしていただきたいと思います。
 その関連でお聞きするのが、前回の改正で目玉だったサービス産業の生産性向上、これは私もかなり期待していたのですが、これまでで計画認定が六件と、少な過ぎるのではないかなというふうに思っております。この現状をどう認識しているのか、また、広範な利用に向けてどのような取り組みを考えているのか、あわせてお伺いをしたいと思います。

○松永政府参考人 お答え申し上げます。
 資源生産性革新計画でございますけれども、具体的にこの計画が認定をされますと、税制上の措置として、今回新たに初年度即時償却制度という制度がございます。そういうこともございまして、現在、非常に厳しい環境下ではございますけれども、そうしたエネルギー・環境関連の設備投資を積極的に考えていこう、こういう企業が数多く存在をしているというふうに認識をしております。
 非常に革新的な例を申し上げますと、関西の方の製紙関連の企業でございますけれども、新たな工場を設立する際に、その工場を回すエネルギー源としてすべてを再生可能エネルギーで賄う、こういうような革新的な計画もございます。それから、この対象は一企業だけではなくて、グループで認定を受けるということも可能でございまして、例えば、既存のコンビナートを形成している企業でございますけれども、それぞれの企業が持っているいわば古い熱源供給設備を共同で廃棄いたしまして、新たに、共同で使う、最新の省エネ効率の高い設備を導入する、こんなようなことも今後期待をされるのではないかというふうに考えております。
 それから二点目の御質問でございます、サービス産業の活性化関係の問題でございます。これにつきましては、御承知のとおり、二〇〇六年の新経済成長戦略、あるいは昨年改定をされました新経済成長戦略の改訂版におきましても、サービス産業の活性化、生産性向上というのは、日本の経済社会にとって非常に重要な課題であるというふうに位置づけているわけでございます。
 ただ、産活法の認定ということについて申し上げますと、御指摘のとおり、現在まで、認定された件数は六件にとどまっております。この状況について、私ども、満足できる状況ではないというふうに考えておりまして、先般もお答え申し上げさせていただきましたけれども、御指摘のとおり、この産活法の枠組みというものについて広く周知、広報を図りながら、サービス産業につきましても幅広く認定を求める企業が出てくるように努力をしていきたいと思っております。
 いずれにしましても、サービス産業の生産性向上につきましては、成長戦略に基づきまして、サービス産業生産性協議会という枠組みを設けまして、また、業種別に産構審の御議論もいただきまして、生産性向上のための具体的な指針というものを定めておりますので、こうしたものの周知、広報も含めまして対応していきたいというふうに考えております。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 制度だけつくっても、利用されないと全く意味がないので、ぜひとも広報を周知徹底していっていただきたいなというふうに思っております。
 次に、第二会社方式についてお伺いをしたいと思います。
 今回の改正では、中小企業のさらなる円滑化を進めるということで、過剰債務を抱えた中小企業の優良な事業部分だけを切り離して、第二会社をつくって再生する、その際、第二会社が許認可を承継できる特例や登録免許税などの軽減、日本公庫の低利融資などの支援をしていきますという中身ですが、一点だけお尋ねしたいと思います。
 第二会社方式のメリットとして、金融機関の協力が得やすいとかスポンサーの協力が得やすいなどと説明されておりますが、基本的には会社が立ち行かなくなるという話ですし、債権放棄など、金融機関や取引先に迷惑をかける話に変わりはありません。第二会社による再生計画は大臣が認定するわけですが、その際の経営者の経営責任というのがどのように問われることになるのか、具体的に御答弁をお願いしたいと思います。

○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。
 今、太田先生が御指摘されたような、中小企業が苦境に直面しましたときの再生ということを円滑にするということは、おっしゃるとおりでございます。こういう状況に至りました中小企業の場合には、いずれにいたしましても大変な痛みがあるわけで、その痛みを経営者あるいはそこで働く方、そこに債権を持っている方、これは金融機関もありますし、お取引先もあると思いますし、場合によっては、その事業所があるおかげで、間接的かもしれませんけれども、そこでなりわいを営む方もいらっしゃる、こういったような方々が、だれもが避けたいこの痛みというのをどういうふうに公正に分けるかというのが一番大きい点でございますし、また、余りにもその責任というものを分けた結果、いいものが埋もれてしまっては、これは何のためにもならないということでございます。
 そこで、一方でその責任をいかに公正に負っていただき、そのいわば見合いということかもしれませんけれども、負担を軽減し、その中でいいものを生かしていく、この微妙なバランスを何とか行政としてお手伝いし、日本の中小企業の一たん失われかけている輝きを戻す、こういう考え方でやっているものでございます。
 それで、具体的に、やはり経営者の交代という形でこれまでも責任をとるということが多うございました。これは何も行政がそうしろと言ったわけじゃございませんで、こういう痛みの分配の仕方につきましては、関係当事者の合意というものが何よりも基本でございます。現に、これまでの十五年以来の再生協議会で実際に計画が決まってまいりました案件につきましても、そういった責任というものをやはりとろうじゃないかということで、具体的には、経営者の交代のみならず、株主の責任あるいは保証の責任、こういったようなことが何らかの形で求められているのが原則でございます。  そういったような痛みをしかるべき形で負っていただいた上で、埋もれがちなものを行政として仕組みをつくって再び輝かせるというようなことでございまして、そういう意味では、公正な債権者調整プロセスということで、いわば債権者が、一部、ないしは場合によっては全部、債権をこの際御遠慮いただくというようなことを認定の要件としてこれから決めていきたいと思っております。
 経営者責任というと大変重い、厳しいように響くかもしれませんけれども、業種、業態、場合によっては、地域によっては、ほかの中小企業者から見て、私たちは一生懸命、銀行に無理して返済していると。ところが、このプロセスが、余り経営責任がしっかり追及されませんと、何かもう一遍リセットされて、そちらがまた元気に伸びてしまうのはなかなか公平じゃないんじゃないか、こういったような声もございます。
 そういった意味で、なかなか複雑な要素を、原則を失わないようにしっかりと運用していきたいというふうに思っております。

○太田(和)委員 ありがとうございました。
 ちょっと時間もなくなってきましたが、次に、今回の法改正により創設されることになる産業革新機構についてお尋ねをしたいと思います。
 これは、構造的な資源高という制約のもとで、環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野など成長性の高い市場を獲得するということを念頭に置いて、各企業や大学に分散して十分な実力を発揮できていない技術や事業を組み合わせて新たな事業を育成するため、官民共同でイノベーションを支えるリスクマネーを供給するものだと説明されております。
 国は、とりあえず二十一年度予算案で四百億出し、複数年度で一千億円程度を拠出する、そして国内外の民間からも出資を募り、トータルで二千億円程度の出資を目指すというお考えのようですが、一昨日もいろいろ同僚議員などからも質問があったと思いますが、失敗している例もあるということで、そういった観点からも、本当にちゃんとお金が集まるのかという疑問がぬぐえないところがあります。
 それから、国が税金を使って革新的なイノベーションに投資しようとする場合に、貴重な税金だからということで、失点を恐れて手がたく、手がたくいくと、これは本来のリスクマネーの役割を果たせないですし、一方で、先日も御答弁にありましたが、基礎研究段階ばかりに出資すると、前回のように、ほとんど回収できず、税金を無駄に使ってしまうことになりかねない、この辺が難しいんだと思います。
 産業革新機構に民間のどういう人材が集まるのかにも左右されると思いますが、税金を一千億円出すという側の大臣として、今後、革新的なイノベーションに向け、リスクマネーを供給することと成果を出していくことのバランス、それをどうとっていくべきなのかとお考えなのか、所見をお伺いしたいと思います。

○松村大臣政務官 産業革新機構におきましては、先生御指摘のとおり、事業の原資に公的資金を含んでいることから、リスクをとりつつも原資を損なうことなく成果を上げていくことが重要なことだと考えております。
 このために、環境・エネルギーやライフサイエンスなど今後著しい成長が見込まれる分野、高い技術を有しながらもその底力を発揮できずにいる分野を対象といたしまして、実績ある民間人材を活用してそこに投資を行うことによりまして、原資を損なうことなく将来の芽を育てていくことが可能になると考えております。
 こうした取り組みをやることによりまして、先生御指摘の点も留意しつつ、今後努めていく所存でございます。

○太田(和)委員 時間がなくなってしまって、求めていた答弁のところにまでなかなか行き着かないんですけれども、別の話になりますが、最後に大臣に一点だけお聞きしたいと思います。
 法案に関する質問ではないんですけれども、現在検討中の追加経済対策についてお伺いをしたいと思います。
 麻生総理が、先日、追加対策の策定を指示しましたが、検討項目の中に贈与税の減免措置が入っております。一千五百兆円の我が国の個人金融資産の大半が六十歳以上の高齢者だと言われておりますが、高齢者が保有する金融資産の贈与を受けた子供が、住宅や自動車などを取得した場合に贈与税を減免するものと報道の段階ではされております。
 経済産業大臣として、この贈与税優遇策についてどのように受けとめているのか、この策によって本当に日本の個人消費が回復すると思うのか、ちょっと大臣のお考えを聞かせていただければと思います。

○二階国務大臣 お尋ねの件は、我が国の金融資産、千四百三十兆円だということを言われておりますが、これを年代別に割ってみますと、今、太田議員から御指摘がありましたとおり、大体、六十歳以上というふうな方々がたくさん保有していることは事実でございます。
 したがいまして、その個人金融資産を日本経済の活性化のためにどう活用していただくことができるか。いろいろなことが前々から言われておるわけでありますが、これという決め手は、個人がお持ちになっているものですから、国が自由に使うというようなことを考えてもなかなか難しいんですが、それでは、生前贈与というような形でこの資金を動かすことができないかということで、経済のこういう厳しい情勢のもとでありますから、有効な政策手段の一つになり得るのではないかという指摘も各方面からあります。
 そこで、高齢者の金融資産を活用して新たな需要を創出していくためには何がいいかということを今与党の関係者で検討いただいているというふうに伺っておりますが、我々もこれに注目をいたしております。関係方面の御意見を十分踏まえながら、新たな需要を効果的につくり出していくことができるようにするためにさらに検討を加えてまいりたいと思いますが、こうした問題こそ与野党で十分話し合いをして、御議論を重ねていくことが大事だというふうに思っております。

○太田(和)委員 ありがとうございます。慎重に検討をしていただきたいなというふうに思っております。
 贈与税は、もともと相続税逃れの生前贈与を防ぐために創設されたというふうに私は思っております。しかし、実際に今相続税を払っている人は全死亡者数のうち四・二%の少数にしかすぎません。残り九六%の大多数にとって、相続税逃れの生前贈与をしようという動機は発生しないのではないかという私の疑問があります。
 そもそも、高齢者の個人金融資産が消費に回らないのは、介護や年金、医療などの日本の社会保障が貧困で、将来不安が大きいからだというところに尽きると思います。社会保障の抜本改革に手をつけず、贈与税優遇で消費を盛り上げようというのは余りにも小手先ではないかなというふうに思っております。資産家の麻生総理らしい発想だなというふうに思っておりますが、軽減措置を講じるのは税制の不平等を拡大し、格差を一層拡大させるものだというふうに思っておりますし、格差を縮め、大多数、中間層の個人消費を活性化させる、大臣にはぜひこの王道を進んでいただきたいなというふうに思っております。
 四%の富裕層が消費を引っ張るのだという考えもわからなくもないんですけれども、百年に一度だからといって、何でもやっていいということにはならないというふうに思っております。経済産業大臣としてもぜひ慎重に検討していただきたいなというふうに感想だけを申し上げまして、少し時間がオーバーしてしまいましたけれども、私からの質疑とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○東委員長 これにて太田和美さんの質疑は終わりました。