166-衆-予算委員会第八分科会-2号 平成19年03月01日

○赤松主査 次に、太田和美さん。

○太田(和)分科員 民主党の太田和美です。
 本日は、貴重な質問の機会をいただきまして、大臣を初め関係各位の皆様方にまず厚く御礼を申し上げます。
 本日は、交通施策に関する問題について質問させていただきたいと思います。
 初めに、いわゆる東北縦貫線についてお伺いいたします。
 都心は、東京駅から新宿方面あるいは品川方面に今拡大しつつあり、現在、上野駅が終点である常磐線の東京乗り入れと東海道線への直通は沿線住民の要望も多く、そして一刻も早く実現をしてほしいと思っております。平成十二年の運輸政策審議会の答申によりこの事業化が認められたわけですが、常磐線の東京乗り入れと東海道線への直通の意義や目的について、どのような認識のもと答申がなされたのでしょうか。お伺いをいたします。

○平田政府参考人 お答え申し上げます。
 現在上野どまりとなっておりますJR東北線、高崎線及び常磐線を東京まで延伸いたしまして東海道本線と直通するという東北縦貫線構想につきましては、委員御指摘のとおり、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号に、目標年次、平成二十七年までに開業することが適当である路線として位置づけられております。
 本路線の整備によりまして、京浜東北線などの混雑の緩和、さらには茨城、埼玉方面などと神奈川方面などとを結ぶ広域高速ルートの形成、さらには東京、品川での新幹線アクセス向上、羽田空港アクセス向上などの効果が期待されているところでございます。

○太田(和)分科員 常磐線の東京乗り入れと東海道線への直通は、上野駅と東京駅を結ぶ線路を新設する、いわゆる東北縦貫線事業ということになっておりますが、宇都宮、高崎線の東京乗り入れといわばセットになって進んでいると聞いております。現段階の進捗状況についてどのように把握をされているのでしょうか。

○平田政府参考人 常磐線の東京駅の乗り入れ計画につきましては、平成十四年の三月二十七日でございますが、JR東日本からその概要のプレス発表が行われております。現在の状況につきましては、JR東日本において、東京都条例に基づきます環境影響評価の手続を行っているところであると聞いております。今後、環境影響評価の手続を経まして、鉄道事業法による鉄道工事に関する手続が行われることとなります。
 国土交通省といたしましては、この鉄道事業法による手続につきまして適切に対応することとしております。したがいまして、現段階ではまだ、本件プロジェクトの詳細につきまして、国土交通省としてコメントする立場にはないことをまず御理解いただきたいと思います。
 以上を前提といたしましてではありますが、JR東日本が公表した内容について申し上げさせていただきます。
 まず、神田駅付近の東北新幹線を重層化いたしまして、上野から東京間に新たに線路を敷設し、東北線、高崎線、常磐線の一部の列車を東京駅まで乗り入れるものでありまして、JR東日本は次のような利便性の向上が期待されるとしております。
 第一には、京浜東北線、山手線、上野―御徒町間でありますが、二〇〇%を超えている混雑率、この二〇〇%というのは体が触れ合い相当圧迫感があるという度合いでございますが、二〇〇%を超えている混雑率が一八〇%、体は触れ合うけれども新聞は読める、こういった程度でありますが、一八〇%以下に緩和されること。第二番目でありますが、上野駅、東京駅での乗りかえが不要となって、上野―品川間で約十一分所要時分が短縮されること。第三番目でありますが、東北線、高崎線、常磐線方面と東海道方面の交流を促進いたしまして、地域の活性化にも資すること。そういう利便性の向上が期待されるとしております。
 また、工事の工程といたしましては、東京都条例に基づく環境影響評価の諸手続を経まして、工事に着手し、おおむね五年間で工事を完了させる計画となっているところでございます。

○太田(和)分科員 JR総武線は昭和五十五年より横須賀線との直通運行を開始いたしました。また、宇都宮、高崎線は平成八年から新宿まで乗り入れ、平成十三年からは湘南新宿ラインとして横浜方面への直通運転を開始しており、上野方面への乗客数を新宿方面の乗客数が上回る動向になっております。一方、常磐線は、快速と中距離電車が上野どまり。また、緩行線は千代田線との直通運転で、東京、品川方面へはいずれにしろ今は乗りかえが必要になっております。
 私も常磐線を利用する一人として、このように常磐線の利便性が他線に比べて劣っていることに関し、常々不満を持っておりました。常磐線沿線は交通不便な地域というのが定着をしてしまいましたが、東京圏の中でも最も今人気のない路線とも言われております。
 ですから、東京駅乗り入れと東海道線への直通は、宇都宮、高崎線より常磐線を優先してほしいというのが本音のところでございますが、宇都宮、高崎線の利用者の要望もおありでしょうから、せめてそれぞれの利用乗客の割合に応じて公平に乗り入れを実現していただきたいと思っているところでございます。
 そこで、質問ですが、二〇〇二年三月二十七日付のJR東日本のニュースでは、「朝通勤時間帯については直通列車の混雑等を勘案し、宇都宮・高崎線からの乗り入れを基本とします。」とあります。これを読むと、常磐線の東京乗り入れは日中の特急列車だけで、中距離電車の東海道線への乗り入れはないというように受け取られます。朝ラッシュ時に東京に乗り入れられないのなら、東京乗り入れと麗々しくうたう意味などはないと思いますし、東海道線への直通がラッシュ時に行われないなら、混雑緩和のメリットなどないと思っております。
 具体的なダイヤ編成は、最終的には民間鉄道事業者の判断次第ではありましょうが、これでは運輸政策審議会答申の目指した「混雑緩和」そして「利便性の向上」という目的は達成できないのではないでしょうか。お伺いいたします。

○平田政府参考人 ただいま委員御指摘のように、列車の運転本数などの問題につきましては、基本的には鉄道事業者の判断において決定されるものであると考えております。
 なお、JR東日本が、平成十四年三月二十七日でございますが、プレス発表した資料「宇都宮・高崎・常磐線の東京駅乗り入れについて」の中にも、委員が御指摘されました工事完成後の運転に関する記載がございますが、この中で、JR東日本からは、開業後の具体的な列車の本数などの詳細については今後検討を進めていくこととしていると聞いております。

○太田(和)分科員 ありがとうございます。
 JR東日本の「東北縦貫線事業概要」という資料では、上野駅から東京駅までの現状の線路の配線図と事業の完成後の配線図が掲載されております、今お話がありましたが。これを見ると、東北縦貫線へ直通する常磐線の上り下りのホームが九番線だけの単線状態になっております。まさかそれはひど過ぎると思いますから、五、六番線が各線の下り、そして七、八、九番線が各線の上りに当てられると想定をいたします。この場合、常磐線の下り方面へ入線するには、上野駅の日暮里側で東北、高崎線の上り線を必ず横断しなければなりません。確かに、こういう配線であるならば、常磐線からの東京乗り入れは限られるでしょう。
 この配線の工事はもう決定しているのでしょうか。現在のところ、東京駅乗り入れの具体的な輸送体系については今後の検討課題だといっても、この配線工事が既に決まっているのなら、常磐線の直通運転は、運転間隔が短くなる朝の通勤時には無理だと思います。試案では、東北縦貫線への直通比率は、宇都宮線が九対高崎線が九対常磐線が二となるとも聞いております。
 私は、東北縦貫線から常磐線の下り線への配線は、上野駅の御徒町側で高架化して、東北、高崎線の上り線との立体交差の構造とすべきと考えております。
 運輸政策審議会の答申に責任を持つ立場として、このことをどのようにごらんになるのか、またJR東日本に対して働きかけをされるつもりがあるのかどうか、お伺いをいたします。

○平田政府参考人 ただいま委員の方からお話がありました件は、恐らくこの「東北縦貫線事業概要」、JR東日本がつくられたパンフレットに基づいてのお尋ねであると思います。
 常磐線の東京駅の乗り入れにつきましては、パンフレットの中には記載されてはおりませんが、上野駅の鶯谷駅寄りに、走行する線路を変更することができる分岐ポイントがありますことから、ここで線路を変更し、東京駅につながる線路に入ることができるようになっているとJR東日本から聞いているところでございます。

○太田(和)分科員 それを想定してのお話だったんですけれども。
 ですから、今お話がありました、線路の方で常磐線の乗り入れを考えるとすると、上野駅の日暮里側で東北、高崎線の上り線を必ず横断しなければならないんです。そのときに、朝のラッシュ時では三分間隔なので横断することができないということになるのではないでしょうか。そのことについてどのようにごらんになるのか、また、再度質問が重なってしまいますが、運輸政策審議会の答申に責任を持つ立場としてどのようにごらんになるのか、お伺いをいたします。

○平田政府参考人 ただいまお尋ねの九番線の接続する区間を高架化することにつきましては、現地の限られたスペースの中では対応することは極めて難しいとJR東日本から聞いているところでございます。

○太田(和)分科員 ありがとうございます。
 私たちとしたら、高崎線そして常磐線、宇都宮線の乗り入れを公平に行っていただきたいということを要望申し上げておきたいと思います。
 常磐線は、沿線に国の地磁気観測所というのがあります。その影響で、直流の通勤電車は取手までしか行きません。あとは、直流そして交流の両方のモーターが使える交直流電車となります。最近開通したつくばエクスプレスも交直流電車ですし、茨城県内の私鉄がいまだディーゼルであるということもこの影響です。
 交直流電車は、大分コストも下がってきたとは聞きますが、それでも直流電車より一・三倍から一・四倍くらいの割高になります。東海道線の車両は直流電車ですから、常磐線には乗り入れられず、常磐線から東海道線への直通はこの交直流電車をふやさなければならないわけですが、このコスト面から見ても、常磐線は不利になっているのかなと思っております。
 国の観測所があるおかげで不利になっている面もあるわけですから、しつこいようで大変申しわけないんですが、大臣、くれぐれも常磐線には公平な形で東京乗り入れが実現できるようお願いいたします。これは要望だけにとどめさせていただきます。
 次の質問に入りたいと思います。
 千葉県では、県内のどこからも県都まで一時間以内で行けるよう道路体系を整備しているところですが、特に、私の選挙区でもありますが、野田市からは、千葉市まで国道十六号線を使って行こうとすると、大変な渋滞にひっかかります。
 国土交通省からいただいた資料によりますと、渋滞による時間損失は、全国平均で二万時間・キロメートル・年に対し、千葉県では四万時間・キロメートル・年と倍になっております。それが、国道十六号の柏インターチェンジから大島田間の損失時間は年間三十四万時間で、全国平均の十七倍にもなっております。また、渋滞を避けて生活道路を抜け道として利用するドライバーのため、東葛飾郡北部は、湾岸地域と並んで県内で最も交通事故が多い地域となっておりまして、この十六号線の渋滞の解消は大きな課題になっているところでもあります。
 そこで、平成十三年より、千葉柏道路協議会が立ち上がって、市民意見の集約や協議会委員による協議を進め、交通渋滞とそれに起因する環境悪化を解消するため、バイパス案が有効だとする提言を行いました。
 さらに、昨年暮れからは、行政による検討会、有識者と市民による沿線会議が行われているところだと承知をしておりますが、まず、この検討の経過と現状についてお伺いをいたします。

○宮田政府参考人 お答え申し上げます。
 国道十六号は、千葉県内におきまして、東葛地域と千葉市それから東京臨海部を結ぶ重要な路線でございますが、柏市の呼塚交差点、有名な交差点でございますが、それを初めといたしまして、交通渋滞が非常に著しい状況にございます。
 委員御指摘のように、東葛地域の交通の円滑化、沿道環境の改善、そういったものを目的といたしまして、国道十六号のバイパスとして千葉柏道路の調査を平成十一年に着手をいたしました。平成十三年には、有識者、市民、行政などから成ります千葉柏道路協議会を設立し、鋭意検討を進めた結果、昨年の六月には、千葉柏道路協議会提言というものが出まして、今後検討を進めるルート案が国土交通省の方に提言されたところでございます。
 現在、国土交通省といたしましては、この提言の具体化に向けて、国、県、沿線市から成る千葉柏道路検討会、それに加えまして、有識者、市民等から成る千葉柏道路沿線会議を昨年末に設置をいたしました。両会議が緊密な連携を図りながら計画の具体化が早急に図れるように努力をしてまいりたいと考えております。

○太田(和)分科員 渋滞の解消は重要な課題ですが、一方、巨額の税金を使って新しい道路をつくるわけですから、環境への影響に配慮した上で、そして市民の合意を得ながら進めなければならないと思います。
 その点、この道路の進め方として、市民と行政がツーウエーでやりとりしながら進めるパブリックインボルブメントの手法を採用しているのは評価できると思いますが、千葉柏道路に関して協議会が行った市民のアンケートでは、バイパスの賛否に関する意見が四百十一件あり、そのうち賛成が四割、反対が三割あったと聞いております。反対が三割というのはかなり大きいわけですが、市民の合意形成という意味から、今後どのような取り組みをなされるおつもりでしょうか。

○宮田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、千葉柏道路の計画策定に当たりましては、国民に情報を広く公開した上で意見を伺ういわゆるPI方式を取り入れまして、検討を進めているところでございます。
 電話、電子メール、そういうものを積極的に活用して幅広く意見を伺っておりますが、これまでに二千件の意見あるいは提言をいただいていまして、委員御指摘のように、そのうち計画に対する賛否は四百十一件でございました。三割が計画に反対、四割が計画に賛成ということでございますが、四百十一件の残りの方々は、ルートを見直せば賛成という意見も多数ございました。
 これらの意見を踏まえまして、千葉柏道路協議会では、新たに利根川沿いのルートの提案を行うなど、市民の方々とのコミュニケーションを通じて円滑な合意形成を図るための取り組みを始めております。
 今後も、市民の合意形成を図るためのPI方式でありますとか常設の説明会場、いわゆるオープンハウスでございますが、そういったものを積極的に活用して計画の早急な具体化に努めてまいりたいと思います。

○太田(和)分科員 慢性的な渋滞という問題を解消するため、私も、千葉柏道路のバイパスはルートを変更したりするなりして進めるべきだというふうには思いますが、ぜひ慎重に、市民の合意形成を図りながら進めていっていただきたいと思います。
 最後に、渋滞の解消に向けた国土交通省としての取り組みについて、大臣の決意をお聞かせください。

○冬柴国務大臣 太田議員の地元であります柏から大島田、国道十六号は全国平均の約十七倍に相当する渋滞で、大変深刻な状況であるというふうな認識はいたしております。
 こういう渋滞解消ということは大変な課題でありますので、国におきましても、平成十五年十月十日閣議決定をいたしまして、社会資本整備重点計画の中で、道路渋滞による損失時間、一年間で三十八・一億人時間、これは平成十四年でございますが、これを十九年までに一割は削減しようということが閣議決定されているわけでございます。幸いなことに、この一割削減は、十九年を待つまでもなく、十七年度実績でほぼ、三十五・一億人時間まで削減することができまして、残された期間でなお一層渋滞解消のために努力をしていきたいというふうに思っております。
 渋滞対策の具体的な施策といたしましては、何といっても交通容量の拡大ということが必要でございまして、環状道路の整備とかあかずの踏切の踏切道に係る事業とか、あるいは、ETCの普及によって首都圏の料金所における渋滞はほぼ解消できたんですね、そういうITというものの利用ということも必要だと思います。
 もう一つは、道路をつくるという拡大策以外に、交通行動の転換策を進めるということ。例えば、バスや鉄道等の使いやすさを向上する、バス停を整備する、そしてまた駅前広場を整備する、あるいは自転車の利用を促進するというような、そういうような転換策、たくさんあるんですけれども、典型的にはそういうものがあります。
 我々といたしましては、総合的な渋滞対策を実施していかなければならない、公共交通機関の利便性を向上させなければならない、そのようなところで今一生懸命頑張っているところでございます。
 何とか、十七倍はちょっとひど過ぎると思いますので、解消のためにまた頑張ってまいりますし、それから、バイパス道路をつくるにしても、都市計画決定というものを住民参加の中で県が主導してやっていただかなければならないわけでございまして、どうか、議員のそういう意味での協力ということも期待をしたいというふうに思います。

○太田(和)分科員 質問を終わります。ありがとうございました。

○赤松主査 これにて太田和美さんの質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして本分科会の審査はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午前十一時五十七分散会