165-衆-本会議-19号 平成18年11月30日

○議長(河野洋平君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。太田和美君。
    〔太田和美君登壇〕

○太田和美君 民主党の太田和美です。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました民主党・無所属クラブ提出の官製談合等の防止のための刑法等の一部を改正する法律案に賛成、与党提出の入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、本法案の経緯を申し上げますが、民主党は、国民への許しがたい背信行為である官製談合の根絶を図るため、昨年十月に、官製談合等の防止のための刑法等の一部を改正する法律案を提出しました。しかし、与党は審議に応じず、審議未了、廃案となりました。
 その後、防衛施設庁による官製談合事件の発覚等も踏まえ、民主党は、ことしの通常国会において、刑罰をより強化した法案を再度提出しました。これに対し、与党もようやく重い腰を上げ、官製談合防止法改正案を提出しましたが、民主党が幾度となく両案の審議を求めても、与党はみずから提出した法案すら審議に応じないという極めて不可解な行動をとり、両案とも継続審議となりました。まさに、本音では、やる気がなかった、先延ばししたかったと批判されても仕方がありません。
 それが、ここ数カ月の間に相次いで発覚した福島県、和歌山県、宮崎県などの官製談合事件により国民の批判が一気に高まったことを受けて、やっと今回両案を審議することになったわけです。
 しかし、委員会における質疑で明らかになったように、民主党案、与党案を比較した場合、官製談合防止の徹底を図る上で、民主党案は効果の面ですぐれた内容となっておりますが、哲学や理念、法体系などにおいて大きく異なる与党案には大きな矛盾と欠陥が含まれ、官製談合の防止には全く不十分であると言わざるを得ません。(拍手)
 以下、主な理由を申し上げます。
 第一に、民主党案は、刑法等を改正することによって、より一層公務員の談合関与に対する罰則を強化する内容となっております。
 まず、現行の談合罪の規定から、公正な価格を害し、不正な利益を得る目的という構成要件を削除して談合罪を実効あるものにするとともに、新たに公務員談合関与罪を設け、談合に関与した公務員を処罰の対象としております。特に、公務員談合関与罪については、三年以下の懲役刑のみとしているため、公務員は、同罪が確定されると、執行猶予の有無を問わずその職を失うことになるため、民主党案はより抑止効果が大きいと考えます。
 一方、与党案では、官製談合がこれほどまでに重大な犯罪であるにもかかわらず、刑法での対応を避け、しかも罰金刑による裁量の余地を残しています。懲役刑の年数だけを比べた場合、与党案の方が重い罰則を科しているようにも見えますが、これは単なる目くらまし、やったふりにすぎないことは明白です。
 第二に、民主党案は、職員の賠償責任等を厳格化するため、責任追及の要件を重過失から過失に改めるとしています。
 そもそも、予算執行の任務に当たる職員は、適正な予算執行のため、会計法規を遵守して慎重に職務を遂行することが求められるものであり、軽過失による法令違反が免責される現行規定の合理性は疑わしいと言わざるを得ません。しかし、与党案では、責任の厳格化によって円滑な業務執行に重大な支障を来すおそれがあるとして、この旨の規定を盛り込もうとしませんでした。この考えは、全く理解できません。
 第三に、民主党案は、入札談合等関与行為に該当する行為として、発注者側による一定の不作為、いわゆる黙認を追加しているのに対し、与党案では、こうした発注者側の黙認について何ら触れられず、官製談合のかなりの部分は野放しになったままです。官製談合廃絶のためには、談合が行われている実態にメスを入れることが必要であり、与党案のように、幇助を追加するだけでは十分な効果が上がらないものと考えます。
 最後に、官製談合の起きる背景には、天下りの問題があります。
 民主党は、天下りが談合の温床となっていると考え、本法案とセットで天下り規制法案を参議院に提出しました。しかし、政府は、公務員の天下りを原則二年間禁止する規制を撤廃する、天下りの自由化プランを検討しています。官製談合を防止しようという議論をしている一方で、官製談合を促進する政策を検討する政府・与党に、改革などできるはずもありません。
 以上、与党案では、厳しい世論を正面から受けとめようとせず、談合を徹底的に追及しようという姿勢が根本的に欠けているのは明らかです。これに対し、民主党案では、明確に官の犯罪行為を位置づけられるため、摘発をしやすくなり、抑止効果が高まることは明白であります。よって、私は、民主党案に賛成し、与党案に反対すべきものと考えます。
 民主党は、今後とも、官製談合の根絶に向けて全力で取り組むことを国民の皆様にお誓いし、私の討論を終わります。(拍手)