165-衆-青少年問題に関する特別…-2号 平成18年10月19日

○小宮山委員長 次に、太田和美さん。

○太田(和)委員 民主党の太田和美です。
 本日、新人の私に初質問の機会をいただきましたこと、まず感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 連日報道されていますとおり、いじめを苦に、北海道では女子の小学生が、福岡県では男子の中学生が自殺をするという痛ましい事件がまた起こってしまいました。男子生徒のお父様は、我が家で一番大切な希望を奪われました、なぜ息子は狭くて暗い倉庫で一人で命を絶たなければならなかったのか私たちは知りたい、それをすることが、いじめなどにより二度と同じ悲劇を繰り返さない、そして二度と同じ家族をつくらないことだと信じますとおっしゃっています。
 この事件は個別の問題ではありません。どうしていじめをなくすことができないのか、その原因究明と、いじめを防ぐ心の教育に真剣に取り組まなければならないときが来ています。本日はこれに関連しまして質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、北海道と福岡県におけるいじめの自殺問題について、文部科学省として現地調査をしたと聞いておりますが、結果の概要についてお伺いします。時間がありませんので、簡潔にお願いいたします。

○銭谷政府参考人 御説明を申し上げます。
 文部科学省では、今回の件につきまして、一昨日、十月十七日に北海道滝川市教育委員会に、また昨日、十月十八日に福岡県教育委員会に三名ずつ文部科学省の担当官を派遣いたしまして現地調査を行いました。
 北海道教育委員会及び滝川市教育委員会等からは、いじめの早期発見や対応が十分でなかったこと、自殺が図られた後の教育委員会としての遺書をめぐる対応、すなわち、遺書の内容を承知していながらそのことを公表しないで、かつ、迅速に原因、背景の究明を行わなかったことなどについて報告を受けたところでございます。
 また、福岡県教育委員会、筑前町教育委員会からは、生徒を守るべき教員の不適切な言動や教育委員会の現在の対応状況などについて報告を受けたところでございます。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 北海道の事件では、自殺した児童がいじめを示唆する内容の遺書を残しております。今もお話があったとおり、遺書を残しております。教育委員会は把握していたにもかかわらず、この事実を隠ぺいしてきました。また、福岡の事件では、一たんは学校側が元担任教諭の言動が自殺の一番大きな引き金になったとしながら、その後、主因かどうかはわからないと説明を翻しています。事実の究明に後ろ向きとも言えるこうした教育委員会、そして学校側の姿勢には、大きな問題があるのではないでしょうか。

○池坊副大臣 今委員がおっしゃったように、北海道では教育委員会が隠ぺいしました。そして九州では、担任がいじめに加担をしていた、起こってはならないようなことをしていた、その結果このような痛ましいことになったのを、私は本当に申しわけなく思います。
 私は、常日ごろから言っておりますが、さらに今回強く言いたいのは、教育委員会に、それは校長にも先生にも、隠ぺいをしてはならない、隠ぺいは必ずわかるのだ、隠すということは絶対してはならない。
 それから、いじめを恥だと思うから隠すんだと思います。いじめは私は恥ではないと思うんですね。人が集まれば、小さないじめが起こることはあり得るわけです。ごくどこでもある。大切なことは、その小さな芽を早くわかること、そしてそれが拡大されないように、つまり早期発見、早期対応なんだと思うんです。
 いじめをしちゃいけません、いけませんと言っても、子供はやはりいじめとわからないでちょっとしたことを、人を傷つけることをしていると思います。だから、それがいじめであるかどうかを気づかせることも大切ですが、その芽を早く見つけて、早くそれに対してきちんとした対応をすべきというふうに考えております。
 きょう、全国の担当課長をみんな呼んでおります。そこでこの二点を特にしっかりと説明してまいります。
 これからは、今まではどうか知りません、これからは、本当に前向きな、みんなに開かれた教育委員会にしていく、その努力をしてまいります。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 文部科学省が毎年行っている調査があります。全国のいじめの発生件数は、昭和六十年度の十五万五千件をピークに漸減しており、平成十七年度は二万件まで減っています。しかし、今回の事件で学校や教育委員会の問題隠ぺい体質が明るみに出たわけで、そのことを踏まえると、調査結果は信頼性に欠けるものではないでしょうか。

○池坊副大臣 この調査表を私も読みました。まず、いじめの定義、いじめとはどういうものかというのが書いてございます。いじめかどうかがわからなければこれはだめなので、まずそれは先生方がきめ細やかに生徒と向き合うこと、生徒の目線に立ってそれを把握していくことから始めていかなければいけないのだと思います。
 アンケートで、いじめがあるかないかと言われると、ないと書いちゃう人が多いんですね。さっきも申し上げたように、恥と思っているところがあるし、また気づかないというところもあるのだと思いますから、まずいじめに気づく、そういう心配りを先生方が持つようにということは、これからの指導の中で厳しく言ってまいりたいと思います。
 これからは、信憑性のある、いじめが学校にあったらもっともっと出していいんだと。いじめは出すんですよ、出してみんなが、保護者や地域や担任の先生や生徒たちが一丸となってどうしたらいいか解決に向かうべきであって、それを先生だけが抱え込むからこういう問題が起きてくるのだと思いますから、指導方法もきちんと変えて、そのようにしていきたいと思います。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 今お話があったように、いじめとは、やはり目に見えにくいのが大きな特徴だと思います。校長先生や担任の先生は、本当に今いじめを把握しているのか。福岡の事件では、実際にはいじめがあったのに、学校は教育委員会にいじめゼロで報告をしていました。校長や教師の主観や都合だけでいじめの有無が報告されていたら、調査の意味がありません。
 私は思うんですが、まず、学校が児童生徒一人一人から、いじめがあったのかどうか、そこを調査した結果が集約されるよう、調査方式を変えるべきではないでしょうか。

○池坊副大臣 私も、各学校でどういうことをやっているかというのを調査いたしました。例えば、新潟県では学校で、子供たちに匿名で、今いじめがあるかないか、そういうようなことをきめ細やかにアンケート調査をしております。そういうことも必要だと思います。
 これは、いろいろな方法を皆様方から伺いながら、改めるところは新しい方法でやっていくことが必要と思いますので、早急に取り組みたいと思います。
 委員おっしゃるように、私の長女も小学校でいじめに遭って、でも、では担任の先生に言うわと言ったら娘が、ママ、言わないで、言うとさらにいじめられるからと言って、では親はどうしたらいいのかと、私もまだ若い母親でしたから、途方に暮れたことがございます。
 これは、いろいろないい事例があったら、こういうのがとても役に立っているよというのがありましたら、それを吸い上げて、また全国に発信できるようにしたいと思います。

○太田(和)委員 文部科学省の調査では、いじめが原因で自殺した小中高校生は、平成十一年より七年間でゼロ件となっています。副大臣、この数字を私は本当にとても信じられません。この調査では、自殺者の六割がその他の原因にまとめられています。いじめが原因で自殺したにもかかわらず、その他にまとめられている子供たちが本当はいるのではないかと思います。きちんとした調査をして、声なき声を聞く努力をしてほしいと私は思っております。
 そして、文部科学省の調査では私立の学校を対象としておりません。先ほど高市大臣からも、若者の自殺者が五百七十一人というふうにおっしゃっていましたが、文部科学省の調査とは異なっております。自殺した子供の数は、文部科学省の倍の数字になっています。自殺した子供たちの半分しか調査できていないのでは、調査の名に値しないと思います。
 今、子供たちの声が学校に届いていない、教育委員会にも届いていない、政治にも届いていない。だから、今きちんとした調査を緊急に行うことが再発防止に欠かせません。これは、学校、家庭、社会を挙げていじめを防止していくのだという強いメッセージになると思いますが、きちんとした調査を緊急にやる考えはありますか。

○池坊副大臣 先ほど申し上げましたように、まずは、教育委員長、校長、担当課長を呼びまして、しっかりとこの指導を徹底させるようにいたします。今委員がおっしゃったように、アンケートのやり方が問題じゃないのかというのは、確かに検討すべきと思いますから、いいことは速やかに実行していくようにというふうに取り組んでいきたいと思います。
 また、学校教育の中においても、せっかく道徳の時間があるのですから、これは命の問題、最優先事項だと思いますから、道徳の時間でもきちんと先生が生徒たちとこの問題について語り合い、いろいろな意見を酌み取って、これはぜひ通達としてやるべきと思いますので、早急にやっていきたいと思います。

○太田(和)委員 ぜひ実現するよう、強く要望いたします。
 次に、事件の再発防止に向け、今後どのような対応をとられますか。

○池坊副大臣 重複する答弁になってしまうかもしれませんけれども、まずは学校現場で、子供たちにも命の大切さを、それぞれ道徳とか総合学習時間で、きちんとこれはみんなが討議することが必要だと思います。それから、今スクールカウンセラーというのがありますが、これも、なかなかスクールカウンセラーでは発見ができない、子供が相談しづらいと言われておりますから、このスクールカウンセラーがもっと子供たちと密接に結びつくようにしていくことも必要だと思います。
 それから、まず担任の先生がきめ細やかに対処、子供を見詰めていくということ、それから校長、教育委員会が、いじめはみんなが共有して解決していきましょう、この姿勢、この意識、これが大切で、指導、再発防止に向けた総合的な対策をとっていく必要があると私は思っておりますので、総合的にこれをしていきたいと思います。

○太田(和)委員 ありがとうございます。
 今、文部科学省の方では、まず隠ぺいをしてはいけないということが一点と、そして、こうしたいじめを早く摘むためにスクールカウンセラーの配置などを推し進めていきたいという二点のことだと思うんですけれども、欧米でも今やはりいじめ問題が深刻になっていて、各国でそれぞれ工夫したいじめ防止のプログラムが開発されています。いじめに関するビデオや劇、小説を教材に使う、クラスでの討論、ロールプレイによって被害者を助ける方法、被害者の気持ちを理解する方法など、いじめを予防するさまざまなカリキュラムがあります。
 文部科学省として、いじめが起こってからの対応だけではなく、先進的な事例を参考にしていじめの予防に取り組むような教育を導入すべきではないでしょうか。

○池坊副大臣 委員がおっしゃるように、本当にそのとおりだと思います。
 私、CAPというのを御存じでしょうか、CAPを授業でやっているのを視察いたしました。これは、外部からの侵入に対して自分で守りましょうということのいろいろなプログラムなんですね。確かに、欧米ではいろいろなプログラムがございますから、それをしっかりと、アメリカでもイギリスでもきちんとやっているところがございます。今まで余りアメリカやイギリスのいい例を取り込んでこなかったと思うんですね。例えばピアサポートプログラムとかソーシャルスキルトレーニングとかグループワークトレーニング、それから今申し上げたCAP、日本でもそれぞれやっている学校がありますけれども、これが余り一般的に浸透していないと思います。これからは、これを浸透させることが必要だと思います。
 私、数年前、アメリカの教育事情を視察し、小学校に行きましたとき、ここではいじめはないのと言ったら、担任の先生が、それは人間が集まるんですから、子供ですから、いじめがないはずがありませんと。でも、いじめがわかった時点で、それは保護者を呼んで、それで児童と一緒に相談し、話し合い、またそれをオープンにして、みんなが長時間かけて議論をして、話し合っていって解決するのですというお話を伺いました。これもぜひ取り入れたいと思います。
 いじめというのがどういうものであるかわからない子供たちというのは多いと思うんですね。知らない間に相手を傷つけている。だから、そういうことがないようにということを、きちんと学校の授業の中にも取り入れる工夫をしていきたいと思います。

○太田(和)委員 ありがとうございます。しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 今、こうしている間にも、いじめが全国あちらこちらで進行していますし、自殺を考えている生徒もいるのだと思います。この事件をきっかけに、いじめが本当に残酷であることを皆さんに理解してほしいと思います。そして、今こそ勇気を持っていじめをなくしていかなければいけないときだと思います。
 いじめの本質は、いじめに加わっている加害者の意識が薄いことです。冗談と思ってやっていることが、被害者にとっては冗談では済まされないんです。お子さんのいらっしゃるすべての家庭で、お子さんといじめについて話し合ってほしいんです。子供の身の回りでいじめが起きていないのか、自分の子供が加害者になっていないのか、無意識のうちにいじめに参加しているのではないか、あるいは、いじめられていながら、親に心配させたくないからと、ひとり悩んでいるのではないか。いじめがどんなに残酷なことなのかを話し合ってほしいと思います。
 いじめの問題は、いじめた生徒の問題ですか、先生の問題ですか、教育委員会の問題ですか。実は、いじめを容認してきた社会の問題だと思うんです。みんなが考え方を変えていかなければならないと思うんです。いじめの予防の教育こそが今必要だと思っております。
 最後に、高市内閣府特命担当大臣に、青少年問題の担当大臣として、いじめによる自殺事件についてのきょうの議論を聞いての感想を伺いまして、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。

○高市国務大臣 太田委員から非常に重要な御指摘が多々あったと思います。非常に感銘しながら、私、伺いました。
 そして、文部科学省も本気で取り組みを進めていくということでございますけれども、課題は非常に多いですから、これがきちっと迅速に進められていくか、その進捗状況も見守りたいと思いますし、あと、例えば厚生労働省でしたら、子供の心の問題に対応するお医者様の充実ですとか、それからまた、警察の方でも対応していただかなければいけない。例えば家出したお子さんの捜査ですとか、たくさんあります。また、自殺を誘発するようなサイト、これも総務省の方で今対策も取り組んでいただいておりますから、総合調整機関として、しっかり私もチェックをしてまいりたいと思います。
 そして、何よりも、全国のお子様に、今マスコミで随分報道されていますから、自分が命を絶てば何か変わるんじゃないかとか、いじめっ子が気がつくんじゃないか、親が慌てるんじゃないか、そんなことだけは考えていただきたくないです。たった一度の人生でございますから、命を大切にして、御先祖様からつながれた命を大切にすることの重みを知っていただきたい。
 内閣府で今何ができるか、新たに何ができるか、一生懸命考えながら伺っていました。政府広報でも何か呼びかけを行っていけないかということを考えておりますので、どうかたくさんアドバイスをください。お願いいたします。